【実践】ペルソナの設定

これまでペルソナについてや、ペルソナを設定するメリットについて説明をしました。
今回は実際にペルソナを設定していきましょう。

複数のペルソナを作る

まずはペルソナをフォーマットに沿って複数作ってみましょう。実際に雇えている(定着している)看護師や、これから事業拡大に伴い採用したい看護師などをイメージしてみましょう。

必要な項目としては年齢、性別、住所、出身地、家族構成、臨床経験、性格、趣味やライフスタイル、看護観などでしょうか。これに独自の視点などを追加しても良いと思います。
ポイントはより詳細に作り上げること、複数の目を入れて実際に存在しそうな人であることです。

ペルソナシートをメンバーで作っていると「いる!いる!!」とか「〇〇さんみたいだね!」となることが良い傾向だと思います。

以下に簡単にペルソナを作ってみました。サクッと作ったのであくまで参考程度にしてください。

実際に採用活動をするペルソナを選ぶ、優先順位をつける

ペルソナを複数作ったら、それらの優先順位をつけて実際に採用活動のターゲットとなるペルソナを決めます。

優先順位の付け方は、各事業所によって異なるとは思いますが、私自身は①採用の実現性、②看護実践能力、③自律性、④ウィル訪問看護ステーションへの共感、などの項目を準備し、点数化して順位をつけました。

採用活動のターゲットとするペルソナはいくつ選ぶのかも各事業所ごとですが、その数が多いと採用活動にかかる工数は増えます。また、そもそも既に事業所との相性がいい(採用できている層の)場合は工数が下がるかもしれません。採用活動に割くことのできる時間や金額を考慮し、ペルソナの数を決めると良いと思います。

ウィル訪問看護ステーションでは創業時は2つのペルソナ、今はもう少し多くなっています。また今では複数の事業所があるのでそれぞれの特徴や成熟度によってもペルソナは変わっています。

共感マップを作製する

ペルソナを選定することができたら、各ペルソナをより深めた「共感マップ」を作成することで、ペルソナのインサイトを見つけます。

画像引用:https://github.com/and-design/empathy-map

共感マップはコチラのサイトからGitHubに行きダウンロードすることができます。使い方も記載があるので是非参考にしてみてください。

「インサイト」とは洞察などと訳されます。マーケティングにおける「インサイトをみつける」とは、対象が何気なくする行動や、自然と起こる感情を深堀し、裏にある行動や感情を洞察することを言います。実際には見つけるだけでなく、深堀し発見した、隠された行動や感情に焦点を当てて採用活動をします。例えば、「転職したい」は顕在化している感情です。でもその裏には「キャリアアップしたい」「子育てとのバランスをとりたい」など潜在的な感情があるものです。そこに焦点を当てて「子育てとのバランスがとれる職場」として様々な採用キャンペーンを実行するのです。

共感マップは「インサイトを見つける」ことに役立ちます。シートを使って、ペルソナがどんな状況に置かれているか、どんな感情を抱いているかを複数の項目に分けて深堀りしてみましょう。
ターゲットとした看護師が、日々どんな行動をしているか、どのようか感情や意図があるのか、そこに至る背景や深層心理、プロセスのようなものがより明確になるはずです。

最後に注意点です。

ペルソナ設定の注意点

①1ペルソナは1シート、1マップ

②1人で作成せずにスタッフなど数名と協働や意見交換をすることで、実際に実在する人物に近づく

ペルソナをより具体的にするためには、複数名で協働することが重要です。悩みなどがあれば是非お気軽にお声かけください。