一緒に働きたい看護師像を明確にする

理念やその実現に向けての活動や方略(MVV)などが出来上がったら、次に働いて欲しい看護師像を明確にしましょう。これを「ペルソナ」の選定といいます。

ペルソナとは、行動パターンを調べ、そのデータを統合して作り上げたユーザーを代表する仮想人物の事を言います。今回は訪問看護師の採用に関してなので、ペルソナ=採用したい看護師のことです。

ペルソナマーケティングで有名な事例はスープストックが「秋野つゆ」さんという仮想の人物(ペルソナ)を設定して、この仮想人物に沿ってマーケティング戦略を行った事例が有名です。

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なぜ「看護師なら誰でも良い」ではダメなのか?

採用支援をする事業所にどんな看護師を採用したいかを質問すると「看護師であれば誰でも良い」と言われることがあります。気持ちは分かるのですが、あまり良い考え方ではありません。

訪問看護ステーションは10人以下の少人数の事業所がほとんどだと思います。病院付属だとしても企業で言うと中小企業程度、採用に関わる人材も資金も不足しがちなのではないでしょうか?

そんな小さな事業所がどの看護師にも働きやすい職場を提供することは難しいのです。
看護師には新人からリーダー、管理者や専門家までその成熟度は異なります。新人レベルの看護師には、訪問看護以前に看護師としての基礎教育などの支援が必要なのかもしれません。リーダーレベルの看護師には認定/専門看護師などの資格取得の支援や、進学支援などが喜ばれるかもしれません。

また看護師それぞれのライフステージも異なります。独身の看護師にはワークライフバランスを保てるような支援が必要かもしれないですし、子育て世代には子どもや家事と両立できるための職場環境が重要なのかもしれません。

このように、看護師の習熟度やライフステージが様々なため、小規模な訪問看護ステーションが「看護師であれば誰でも良い」だと、どの看護師にとっても働きづらい職場になってしまう可能性があるため、一緒に働きたい看護師像(ペルソナ)を明確にする必要があると思います。

雇える看護師or雇いたい看護師、どちらをペルソナにするか?

ペルソナを選定するなかで今の状態で雇える(採用し定着している)看護師と、まだ雇えていないが雇いたい理想の看護師のどちらを狙い定めるべきか?という質問を受けることがあります。

採用課題に合った方をペルソナにする。また採用活動に割く時間や資金に余裕があるのであれば複数のペルソナを持っても良い、が私なりの答えです。

今、採用や定着できている看護師像をペルソナにする場合、採用までの時間やかける労力は少なくて済みます。ただし、組織に多様性をもたらせないので、組織の弱点をカバーする人材、新たなことにチャレンジする人材として期待することは難しいかもしれません。雇いたい看護師をペルソナにすることは、その逆のメリット/デメリットがあるかと思います。

それぞれの採用課題やニーズに沿ってペルソナを決めて行きましょう!

看護師採用を偶然や運に頼らないために

いかがでしたか?看護師採用はなかなか狙い通りにはいかず、難しいものですが、偶然や運に頼ることのないよう狙いを定めて実行することが大切です。そのための一歩としてまずはペルソナを選定しましょう。

次回はペルソナを選定する具体的な方法の前に、ペルソナを選定するメリットについて深堀りをしたいと思います。

⇒ペルソナを設定するメリット