採用に繋がる理念(MVV)の4つの特徴

訪問看護ステーションのウェブサイトに掲げられている理念はどの事業所のものも素晴らしいものばかりです。でも、採用という視点から考えると採用にも繋がる理念と、そうではないものに分かれます。

採用に繋がる理念の特徴にはどのようなものがあるでしょうか?私なりに考えたポイントを紹介します。

外向きの理念である

理念は内向きではなく、外向きの矢印である方が周囲への共感を生みやすいです。内向きとは、理念が「私たち」に向いている状況、例えば「最高の緩和ケアを!」とか、「ワークライフバランスのとれた働き方をママさんナースに!」などでしょうか。

逆に外向きとは、その理念の対象が患者や家族、地域など自分たち以外の誰かに向いている状況を指します。ワークライフバランスなど自分たちのことも大事ですが、求職者への共感としては外向きである方が良いと思います。

共感の深さ×人数が大きい

採用において、理念の共感はその「深さ」と「人数」の掛け合わせが最大であることが良いと思っています。

深さとは、どれだけ対象に強く共感してもらえたかです。強い共感を生むには抽象的な言葉より、具体的に的を絞った言葉を使う方が効果的です。例えば「小児看護をもっと広く~」とか「離島の人にも~」などの言葉は、ある層の方々には深く刺さると思いますが、その人数は限定的になりがちです。
逆に抽象的な言葉、例えば「思いやりあるケアを」や、ウィル訪問看護ステーションの理念にもある「全ての人に~」などは否定はされないでしょうが、深い共感は生みにくいものだと思います。これらは共感の人数は増えますが、深さがないため「働く(転職する)」という行動を起こすほどの言葉ではないかもしれません。

採用という視点からは、1人でも多くの人に深く共感をしてもらう言葉を考える必要があります。具体と抽象を行き来しながら自分たちらしい言葉を作り出す必要があります。

方略を明確にする

いくらカッコいい理念を掲げても言ってることと、やってることが違っては従業員は増えません。理念に掲げたことに対し、どうすれば解決するのかを明確に示す必要があります。

実は理念よりもその方略を示すことの方が何倍も難しく、一生懸命に考え抜く必要があります。例えば「ママナースも働きやすく」は多くの共感を生みますが、それは病院や訪問看護などの職場でママナースが働きにくい環境が常態かしているからです。
その解決にITの利用とか、皆で話し合うなど抽象的なことではなく、方略を具体的に示すことが大事だと思います。

また最近ではその方略だけではなく、具体的に取り組むプロセスを示すことも併せて重要だと感じています。

根拠を示す

理念やその方略だけを掲げるのではなく、その「根拠」を示すことも必要です。例えば小児看護を専門にする訪問看護事業所の場合、なぜ小児看護は足らないのか?どうすれば小児看護が必要な人に行き届くのか?などです。
同じように「思いやりのある看護」を理念に掲げるのであれば、なぜ思いやりのある看護が大事なのか?どうすれば職員が思いやりを持って看護に臨むことができるようになるのか?など、その具体的な根拠を示すことが、より求職者に深い共感を生みます。

根拠を示すには客観的な数字などの資料があるとより良いかと思います。各種団体の資料や、論文などを調べてみましょう。

POINT:奇をてらう言葉を使わない

どうしても深い共感や、多くの人に知ってもらおうとすると、気をてらう珍しい言葉を使おうとする事業所があります。例えば「疾病予防」にフォーカスすると疾患のある方に介入する、本来の訪問看護の事業とは異なるものになるかもしれません。
大事なことは特別な言葉や、気をてらった言葉ではなく、『自分たちの言葉』であることです。みんなで創った言葉は理念だけでなく、その方略や根拠の説明にも熱量がこもるもので、きっと多くの方に伝わると思います。

いかがでしょうか?
ポイントにも書きましたが大事なことは皆で考え、自分たちの言葉にして腑に落とした上で伝えることだと思います。ここに上げた4つの特徴は技術的なことなので、皆さんの想いを形にする時の材料として上手に取り入れてくだされば嬉しいです。

⇒一緒に働きたい看護師像を明確にする